私の今の仕事の原点のひとつの物語
天命・天職が見えてくる
自己観察の専門家
平野香緒里です。
私は、自己観察と出会う前に、
発達障害の子供たちとその家族を
サポートする仕事に
10年ほど関わっていました。
ある自閉症の男の子のお話です。
Kくんとしましょうか。
当時Kくんは養護学校に通う
中学生でした。
自閉症のKくんには、
たくさんのこだわりがありました。
こだわりが強く、
それ以外は受け付けないという
制約や束縛をいっぱい
もっていました。
Kくんには、いつも行く
お気に入りの公園がありました。
逆にそこ以外はKくんにとっては
安全でない場所なんですね。
だから、いつもKくんは、
「○○公園 いくー」と言っていました。
私はずっと思っていました。
Kくんを他の△△公園に
連れていきたいと。
きっとKくんだったら、気に入るよね~
と以前から思っていたし、
もっとKくんに世界を広げて
ほしかったのです。
あるとき、Kくんに
「今日は△△公園に行こうよ」
と言いました。
○○公園もいいけど、
△△公園もまた楽しいよ~!!
と。^^
すると
予想はしていましたが、
ものすごい自分の頭をガンガン叩いて
自傷が始まりました。
今自分のいる世界、
知っている世界が安心だから
新しい世界なんて行かない~!!!
と訴えているようでした。
でも、私はそれでもKくんに
新しい世界に
連れて行きたかったのです。
たとえ、おもいっきり腕を
つねられようと
何されようと^^;
ある日、かなり激しい抵抗を
受けながらも、
Kくんが初めての△△公園に
連れて行きました。
そこで結局どうなったか
といいますと、
Kくんは、そこをとても気に入り
とても楽しく遊べたのです。
そう、お気に入りの場所が
もう一つ増えて
新しく世界が広がったのです。
あの時、暴れながらも、
私を信じてついてきてくれて
ありがとう!
新しい世界が、Kくんにとっての
お気に入りのスタンダードになって
本当に心から嬉しかったです。
Kくんは、自分で自己観察は
できないけれど、
暴れながらも私を「信頼してくれる」ことで
世界が広がる体験をしたので、
それ以降は、いろんな場所に
行けるようになり、
そして私でなくても、
他の人も信頼できるように
なりました。
これが、一番嬉しかったですね^^
Kくんは、新世界を自らの行動で
体験できました。
Kくんに限らず、
私たちは、
変わろう!と思っても
やっぱり今いる自分の世界に
苦しいながらも、
どこかにメリットを感じて
新しい世界にいくことが
できないでいたりします。
私は、天命・天職が見えてくる
自己観察のセオリーの実践の場を提供しながら、
関わらせていただく受講生の方々の
見えていなかった世界の景色を
一緒に見たいなと思っています。
これは、私の今の仕事の原点となる
ひとつの
大切なストーリーです。
今抱えているいろんな制約や束縛を
自己観察をして、
経験と自信を積み重ねて、
一つずつ丁寧に向き合い、手放して
新世界を体験していきませんか?^^